SSブログ
オーケストラ ブログトップ
- | 次の10件

指揮者-4 [オーケストラ]

今日はクルト マズアを取り上げましょう。
彼は旧東ドイツのライプヒッチ ゲヴァントハウスオーケストラの常任指揮者でした。1976年に初来日してから数年間定期的に訪れ読響のために尽力をつくしてくれた指揮者です。
非常に大柄な人で指揮台に立つと見下ろされる感じでした。鋭い目をしてて非常に威圧するような感じで、あんまり好きになれないタイプの指揮者でした。
実際「俺はお前たちにドイツ音楽を教えてやるんだから俺の言うとうりにしろ」と押し付けてくる人で、我々楽員はあんまり好きになれませんでした。
とてもいいことも言ってくれるんだけどそれが押し付けがましく感じちゃう。
オケマンというのは、褒められるとうれしくなって、実力いじょうの力を発揮するするけど、反対にいろいろ言われすぎると、自分の音楽が否定されたような気持ちになってしまい気持ちが乗らないという
状況になってしまいます。
マズアの奥さんは日本人で時々練習場に来たりしたことがありましたが、楽員たちが話してることを
小耳に挟んだのでしょうね。
それをご主人即ちマズアに「あなたのこと皆クルトマズイヤーといってるわよ」と話したそうです。
そんなことが本人の耳に入ったら、こりゃあどやされるぞと内心ビクビクしてましたが、別に癇癪をおこすわけでもなく平穏無事にすぎました。
そこは度量の大きさを示したのでしょう。
個人てきにはあんまり好きな指揮者ではありませんでしたが、オーケストラのためにはいろいろ力を
貸してくれまして新しいゲヴァントハウスコンサートホールのこけら落しの一連のなかに読響を招待して
くれまして、日本のオーケストラの代表として参加することができました。
そういう機会を作ってくれたマズアには非常に感謝しております。

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

指揮者-3 [オーケストラ]

今回はドイツの重鎮来るクルト ザンデルリンクにつて書きましょう。
ザンデルリンクの名前は相当前から知られてましたが日本のオーケストラを振りにきたのははじめてでした。
我々の前に立っても全然威圧的な態度は見せずやさしい目をした温厚な紳士という感じのするひとでした。が一旦音楽が始まると皆をひきつけてしまう不思議な力を持った指揮者でした。
けっしてスマートな棒さばきじゃないけれども、そこからはものすごい音楽が、歌心が湧き出して我々は
それに踊らされてる感じでした。
けっして奏者に無理強いはしないのに皆乗せられてしまう、そんな感じでした。
前回取り上げたロジェストベンスキーもそんな魅力を持った人でしたがザンデルリンクも同じカリスマ性をもった指揮者と言える思います。
指揮者というのは音を出さない演奏家です、オーケストラの前で身振りだけで演奏するわけですが出てくる音楽、音は同じ曲をやっても皆違ってくるんです。
ザンデルリンクのような人にかかると演奏者は皆代弁者になってしまう、そんな気がします。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

指揮者-2 [オーケストラ]

今日の記憶に残る指揮者はセルジュ チェルビダッケです。
彼は幻の指揮者と言われ名前は聞いたことがあるがレコードやCDでは聴いた事がないという録音嫌いな人でした。
ですから1977年に来日し読響を振ることに決まったときには音楽界にとってビッグニュースでした。
我々も期待と緊張がいっしょになったような異様な気持ちでした。
練習時間帯は大幅に変更されて一つの演奏会に対して1日6時間×6日間行われました。
曲に関する解釈からはじまって、その要求に対してどのように演奏するか、細かく指示されました。
特にピアニッシモは自分の出している音は聞こえないくらい要求され、緊張の連続でした。
そのようにして出来上がった音楽は、すばらしいものでした。聴衆の皆さんはいままで聞いたことのないオーケストラの音がしてた、と話してくれました。
翌年にも来日し計4回演奏会をやりましたが、2度目の時からは皆も指揮者はこういう事を要求してるんだな、と理解できるようになり、楽しんで弾けるようになりました。
今はかなりCDも出てるようですね。それでは又次回に!

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

指揮者-1 [オーケストラ]

随分多くの指揮者に出会いましたがなんといっても強烈な印象を受けた人はロシアのゲンナジー ロジェストヴェンスキーです。
長~い指揮棒を持って一言も喋らず曲の頭からさあっと通うして、その曲はおしまい。
次の曲、これも同じく通うして終わり。でもその指揮棒から伝わってくる音楽がすばらしい。
皆それを感じるから必死で演奏する、なにも口で説明したりしないけどその棒を見てるだけでわかるんです。
ですから我々楽員は前もって自分のパート譜を習っておかないと間に合いません。
普段読饗の練習時間は正味3時間ですが、彼は1時間ちょっとで終わり。
そういう練習を4日間やり本番を迎えるわけです。
そうして向かえた演奏は良い意味で非常に緊張し演奏が終わって非常に満足感を味わったものです。
いまでも秋か冬の初めに来日しすばらしい演奏をきかせてくれてるはずです。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

指揮者 [オーケストラ]

読響に在籍したおかげで多くの名指揮者と出会うことができました。これはオケプレーヤーにとって非常に嬉しい事です、と言うのはオーケストラは同じ曲を演奏してもその指揮者の要求によって、全く違う
音楽になるのです。
これは不思議に思うかもしれませんが事実なのです。
良い指揮者というのは指揮棒を振ることでいかに自分の表現しようとする音楽をプレーヤーに伝えるか
ということだ、と思います。
それがプレーヤーに伝わると我々はそれに応えようと演奏するわけです。
次回は例を挙げながら書いてみたいと思います。
- | 次の10件 オーケストラ ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。